就労支援について 〜「社会や企業からの歩み寄り」と「本人の気持ちの尊重」〜

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌

NETFLIXで、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」という韓国ドラマがあり、薦められてこれを観る機会がありました。主人公が自閉スペクトラム症の診断を受けている女性で、一流大学を卒業した弁護士という設定です。世界中で観られているようですね。魅力的な俳優さんたちとあわせて複雑な話をユーモアを混じえて表現していて私もハマりました。主人公のウ・ヨンウさんはいわゆるギフテッドでしょうか。記憶力が並はずれていてIQが高い。そして、対人コミュニケーションは苦手です。

ギフテッドといえば、日本でも積極的に支援していく議論を国が検討し始めました。才能がある子を選抜して英才教育を行うのではなく、特異な才能を持つがゆえに困難さや生きづらさを抱える子どもたちを支援する考え方です。ギフテッドと呼ばれる子どもたちにとっては通常の学校教育は退屈でしかないという観点から飛び級などを積極的に勧めていこうという考えであったり、中には奇抜と受け取られる行動をとるギフテッドの子どもたちがいじめの対象となったり不登校になったりすることをケアしようという考えであったりします。今後、どのような進展があるかというところですが、支援という観点が持ち込まれたのは歓迎すべきところでしょう。

ところで、数年前まで診断名として存在していたアスペルガー症候群は、このギフテッドと混同されるところがあるようです。ギフテッドは発達障害ではない、とかギフテッドと自閉症をあわせもつ子供もいるとか議論は絶えません。診断名はどうであれ、ここで重要なのは子どもたちが難しさや生きづらさを感じているかどうかです。そうであれば私たちの出番でしょう。

ギフテッドの話題を続けましたが、実際、ウ・ヨンウ弁護士のようにずば抜けた記憶力があり、周りの支援を得ながら弁護士としてある程度稼いでいけるという子どもはさほど多くはないといえそうです。私たちが運営する放課後等デイサービスに通ってきてくれる子どもたちは、読み書きが苦手だったり、話すのが苦手だったり、計算が苦手だったり、コミュニケーションが苦手だったり、椅子に座っていられなかったり…そういうできないことを把握することは大切でしょう。しかし、就労する上で何が障害となっているかを分析することとは少し違うようです。

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